2023 年 35 巻 208 号 p. J90-J94
超分子グライコポリマーは、糖モノマーが非共有結合により集積することで構築され、非共有結合に由来した架橋構造に基づく力学的特性や自己修復性などを有している。これまで、超分子グライコポリマーの合成には、天然に存在するシクロデキストリンやセルロース、キチン、キトサンなどが広く用いられてきた。しかし、近年、糖分子の合成技術の進歩により、有機合成により得られた糖を用いる研究が行われている。本稿では、超分子グライコポリマーの合成において、有機合成化学的にデザインされた糖モノマーの構造が、超分子グライコポリマーの構造に与える影響やその機能について概説する。