Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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Site-1 protease欠損はヒト骨格形成不全を引き起こす
近藤 裕史 Jing WeiXia Lijun
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2024 年 36 巻 210 号 p. J17-J20

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抄録

マンノース-6-リン酸(M6P)修飾は、ゴルジ体のリソソーム酵素上のN-結合型糖鎖に見られる翻訳後修飾であり、M6P受容体を介してリソソームへの選択的輸送に必要である。M6P修飾の遺伝的欠損は、リソソーム酵素の細胞外分泌をもたらし、リソソーム蓄積病の発生基盤となる。M6P修飾酵素であるN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)-1-リン酸転移酵素は不活性型として合成され、ゴルジ体に局在するsite-1 protease (S1P)(MBTPS1遺伝子にコードされる)による切断活性化を必要とする。小胞体とリソソームの複合機能障害に基づく先天性骨格形成不全を有する最初のヒトMBTPS1変異体が報告されて以来、世界中から新たなMBTPS1変異体の報告が相次いでいる。そこで、これまでのMBTPS1変異体を概説する。

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© 2024 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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