1999 年 11 巻 60 号 p. 227-232
MALDI-TOF質量分析法を用いた新しい糖鎖構造解析法の確立を試みた。MS/MS様のフラグメントイオンが得られるMALDI-MSポストソースディケイ (PSD) フラグメント法では主にグリコシド結合の切断によりフラグメントイオンが生成する。これらフラグメントイオンのイオン強度を詳細に議論することで構造異性体の区別や結合様式の特定が可能であった。MALDI-PSDフラグメント法は極微量での測定も可能であるため、今後糖鎖生物学などの分野でも幅広く応用されることが期待できる。