Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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多糖、核酸による複合体形成と機能性核酸デリバリーへの応用
Takahisa AnadaKazuo SakuraiSeiji Shinkai
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2005 年 17 巻 94 号 p. 49-57

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抄録

天然多糖シゾフイラン (SPG) はβ-1,3-グルカンの一種であり、水中で三本鎖状態をとっているがジメチルスルホキシド (DMSO) に溶解させると、三本鎖がほどけて一本鎖ランダムコイル状態となる。このDMSO溶液を水に置換すると、SPG一本鎖が疎水性相互作用と水素結合形成により折りたたまれ再び三本鎖状態へと戻る (再生)。我々はこの再生過程に一本鎖核酸が共存すると二本のSPG鎖と一本の核酸鎖からなる高分子複合体を形成することを見出した。この多糖/核酸複合体形成を円偏光二色性、UVスペクトル及びゲル電気泳動により確認した。さらに、SPG複合体形成を利用してアンチセンスDNAやCpG DNAなどの機能性核酸の細胞内デリバリーを行い、これら機能性核酸の活性が複合化によって大幅に増強されることを見出した。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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