Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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コンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸の機能発現における特異的硫酸化の生物学的重要性
Tadahisa MikamiKazuyuki Sugahara
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2006 年 18 巻 101 号 p. 165-183

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抄録

コンドロイチン硫酸(CS)およびデルマタン硫酸(DS)はプロテオグリカンの側鎖部分に当たる硫酸化グリコサミノグリカン糖鎖であり、細胞表面や細胞外マトリックスに広く分布している。これまでの研究から、CS/DS鎖がいくつかの生物学的機能に重要であることを示唆する証拠が蓄積してきた。例えば、中枢神経系の発達や再生過程において、CS/DS鎖は見かけ上相反する作用を発揮し、神経突起の伸長を促進する分子として振る舞う一方、神経の軸索誘導や再生を阻害する主要分子としての一面を持つ。これらの機能は、CS/DS鎖に内在する特徴的な硫酸化構造と密接に関係し、少なくとも一部の機能発現にはCS/DS鎖とヘパリン結合性増殖因子との特異的相互作用を介する分子メカニズムが関与する。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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