Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
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質量分析計によるグライコミクス
Akihiko Kameyama
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2006 年 18 巻 103 号 p. 323-341

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抄録

近年、長足の進歩を遂げた質量分析計 (MS) は、グライコミクス、すなわち糖鎖の構造と機能との関連性をハイスループットに解析するためのツールとして期待されている。MSを用いた糖鎖構造解析については、この数年の間にさまざまな前処理法、誘導体化法、解析手法が報告されてきたが、どのような場合にも使えるユニバーサルな方法はなく、研究目的に応じて最適な方法を選択する必要がある。また、MSは構造解析だけでなく相互作用解析にも利用できる。MSによるグライコミクスは発展途上にある技術であ駅さらなる改良や充実が望まれるが、一般のバイオ研究者にも抵抗なく受け入れられるテクノロジーとすることが、この分野の発展の鍵を握ると思われる。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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