Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
ISSN-L : 0915-7352
ガングリオシド生合成に関与する酵素の分子生物学
GM2/GD2ガングリオシドの発現を決定するβ1,4N-アセチルガラクトサミン転移酵素cDNAの単離と発現
K. FurukawaY. NagataH. Shiku
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 5 巻 23 号 p. 171-179

詳細
抄録

ガングリオシドの生物学的意義とその発現制御機構のよりよき理解のためには、その糖鎖構造の合成に働く糖転移酵素遺伝子を単離することが肝要である。β1,4N-アセチルガラクトサミン転移酵素遺伝子の発現クローニングと、その発現に関する解析結果につき報告した。CDM8ベクターを用いた真核細胞発現系によって単離されたcDNAから、そのタンパクが現在まで報告された糖転移酵素遺伝子に共通しているII型の膜タンパク構造を有することが推測された。これらのcDNAを適当な細胞にトランスフェクトした場合、新たにGM2, またはGM2とGD2が合成されることから、このcDNAが事実、 GM2/GD2合成酵素遺伝子に由来することが示唆された。この転移酵素遺伝子の構造及び機能の特徴につきまとめると共に、更なる糖転移酵素遺伝子の単離の重要性につき強調した。

著者関連情報
© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
前の記事 次の記事
feedback
Top