フィブロネクチン (Fn) マトリクスアセンブリーは動的な細胞現象であるが、その過程で可溶性の二量体Fnは会合してジスルフィド結合によって安定化された不溶性の線維性高分子マトリクスを形成する。FnがマトリクスアセンブリーするためにはFnに特異的に結合するインテグリンが必要である。Fnマトリクスアセンブリーに関与するインテグリンとしてはα5β1、αIIbβ3、αVβ3などが同定されている。細胞はこれらインテグリンの細胞表層発現量を調節したり。あるいはFnや細胞骨格系タンパク質とインテグリンとの結合を制御することによって、Fnマトリクスアセンブリーをコントロールしている。細胞外で生じるFnマトリクスアセンブリーが、細胞表層のインテグリンや細胞内の情報伝達分子によってどのように制御されるかを明らかにすることが今後の研究課題となろう。