Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ウシヘルペスウイルス1とウシヘルペスウィルス5の糖タンパク質G遺伝子産物のプロテオグリカンフォーム
ヘルペスウイルス糖タンパク質の新奇な修飾
Günther M. Keil水野 保子
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1997 年 9 巻 48 号 p. 331-338

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抄録
アルファヘルペスウイルスの糖タンパク質G(gG)の相同タンパク質をコードする遺伝子は、ウイルスゲノムのユニークな短いセグメントの中にある。ウシヘルペスウイルス1(BHV-1) とウシヘルペスウイルス5 (BHV-5) のgGをコードするオープンリーディングフレーム (ORFs) から推定されるアミノ酸配列を分析、比較すると、両者はI型の糖タンパク質と予測される構造を示し、75%のアミノ酸が同一であり、85%のアミノ酸が似ていた。ウサギで作った各々のORFsを発現した組替えワクシニアウイルスに対する多価抗血清は、BHV-1やBHV-1に感染した細胞の培養液から得られた65kDaの分泌糖タンパク質gGを沈降する。また、この抗血清は分子量が90から240kDa以上の位置に拡散して移動するタンパク質も沈降する。後者のタンパク質は、グリコプロテオグリカンG(gpgG)と名付けられ、コンドロイチン硫酸を含むgGのアイソフォームであることが明らかにされた。BHV-1のgGとgpgGは細胞培養やウシの中での複製には必須でない。また、gGとgpgGはいずれも精製ビリオン中には見出だされない。このことは、これらのタンパク質がBHV-1の標的細胞への侵入プロセスや標的細胞の反応性には関係ないことを示している。細胞培養中での複製におけるgGとgpgGの役割はわかっていない。また、in vivoでのこれらのタンパク質の機能もまだ同定されていない。
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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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