抄録
大学の機械航空工学系学科の教育では,伝統的な各種理論と実際の現象との関係を理解するのに体験型教育プログラムが重要視されている。実際の現象は,通常,単一の理論のみと結びつくことは稀であり,複数理論が統合化された結果である。また,そのようなプログラムでは,3D プリンターやCAD/CAMなどのディジタル生産技術も現代産業の一部の実体験として含まれることが望ましい。このような状況のもと,機械航空工学を総合的に理解するためのプログラムとして,名古屋大学と岐阜大学はそれぞれ飛行ロボット(自律滑空機)の設計・製作・評価を行う授業を立ち上げた。本論文では,この2 大学のプログラムの連携について,特に2021 年9 月29 日に開催された初めての合同競技会の教育的効果を中心に議論する。