抄録
近年,Urban Air Mobility(UAM)に関する技術が世界中で研究されている一方,UAM やドローンの社会受容性については十分に検討されていない。そこで著者らが所属する研究グループでは,アンケートによる主観評価と簡易脳波計測にもとづく感性アナライザによる客観評価を組み合わせた社会受容性評価手法を提案した。この手法の有効性は確認されている。2023 年 12 月に実施された便益効果評価実験では,UAM の社会受容性を向上させる手法として場面想定が提案された。しかしながら,得られたデータの信頼性が不十分であったため,適切な実験環境が設定できていない可能性,および十分な場面想定ができていない可能性があった。また,参加者がいくら場面想定を十分にできたとしても,実際の UAMと CG との乖離は無視し難い。そのため,実験環境を改善することで,実際の UAM と CG のディスクレパンシー(乖離)を小さくする必要がある。本研究では,実際の UAM を用いた実験は困難であるため,ドローン(マルチコプター)を用いてこの種の検討を行う。本発表では,一般の参加者を対象にするのではなく,著者が所属する研究グループの学生を対象に実施された実験について述べる。