抄録
本研究では,ドローンの適用範囲拡大の一環として,連続放水の実現を目指した。具体的には,バッテリーの代わりに電源ケーブルによる連続給電,タンクの代わりにホースによる連続給水,および電源ケーブルとホースを束ねてその高さが可変の供給ポートも併用する 「有線給電給水」 方式の開発を目的とした。本方式では,供給ポートとドローンに荷重を等分に負担することができるため,連続して広範囲に放水を行うことができる。本方式の設計では,ソーラーパネル洗浄を対象として,その洗浄ロボットと同等である100 m2を放水面積の目標とした。その詳細は,高さが1.2~2.9 mの範囲で可変の供給ポートから,飛行高度5.0 m,右移動距離 8.8 mとなる。次に,上記の放水面積を満たすためのペイロードは,610 g以上必要であることを算出し,プロペラ直径 10 inch,ピッチ 4.5 inch,回転数 6000 rpmのクアッドドローンを開発した。さらに,開発した連続放水ドローンの飛行検証実験を行い,ペイロードは設計仕様の610 g以上の690 gであること,および放水面積は目標100 m2とほぼ同等の103 m2 に連続放水できることを確認した。