Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene
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中国産ヒャッポダ毒よりホスホジエステラーゼの精製とその性質
杉原 久義二改 俊章小森 由美子片田 妃佐都森 信博岸田 充弘
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1984 年 12 巻 4 号 p. 247-254

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抄録
凍結乾燥中国産ヒャッポダ毒より, ゲル濾過, イオン交換及びアフィニティークロマトグラフィーを用い, ホスホジェステラーゼを単離した。そしてそれを, ディスク電気泳動, 等電点電気泳動, SDS電気泳動及び免疫拡散法により, 均一な標品であることを確認した。本酵素は, 易熱性であるがpH 7-12の間では安定であった。糖を含まないタンパクで, 分子量は約14万, 等電点はpH 7.4と測定された。精製標品のホスホジエステラーゼ活性は, 2,190 units/mg で, その活性は, EDTA, EGTA, o-フェナンスロリン, システイン, チオグリコール酸, グルタチオン, PCMBによって阻害されたが, 各種トリプシンインヒビター, ベンズアミジン, トラジロールでは阻害されなかった。また, p-ニトロフェニルチミジン-5'-ボスフェイトに対するKm値は, 1.6×10-3M, EDTAに対するKi値は, 5.8×10-6Mと, それぞれ算出された。
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