抄録
新型コロナウイルス感染症の流行下において遠隔地である小笠原村での取り組みについて報告する.
小笠原村は内地から 1,000㎞南に位置しており父島と母島の 2 島に島民がいる人口約 2,500 人の遠隔地
の村である.新型コロナワクチンが日本で承認され,一般住民向けに接種が始まった際に遠隔地離島
である小笠原村でも重症化予防,感染予防の観点から早期接種が熱望された.小笠原村内において集
団接種を行うことが決定したが,父島では人口約 2,000 人と接種対象者が多く,先述のとおり遠隔離島
であるためにどのように行っていくかが課題となった.各方面の機関の協力の結果,父島では早期に
集団接種を行うことが結果的にでき,内地でデルタ株が猛威を振るう中でも住民の感染コントロール,
重症化予防を図ることができた.