抄録
脳梗塞超急性期症例に対して血栓溶解療法が行なわれ,早急な対応を行うことで神経障害の軽減が期待されるようになった.今回,島しょ医療施設において血栓溶解療法が行われ当施設へ紹介搬送となった 4 例を経験した.退院時臨床転帰では 1 例で症状改善,2 例で不変,1 例で出血性梗塞を合併し死亡した.本症例のように脳梗塞急性期患者に対して血栓溶解療法を行い中核施設への転送を行うdrip and ship 法により症状改善例の存在から有用な方法と思われる.しかしながら島しょ医療施設において血栓溶解療法を行うためには大変な労力を要することから,当施設が島しょ医療施設へさらに協力することが重要である.