本稿では,バーチャルミュージアム(VM)を構築した上でアンケート調査を行い,来訪者が望むVMの形態・方向性等に関する知見を整理した。結果は,以下のように要約できる。1) 訪問者は VM の特徴や意義についてはおおむね理解し,それを肯定的に評価している。また,そのデザインについては CG の特性を活かしたものを期待していることが示唆された。2) 接続回線,端末やソフトウェアといった数年後には解決されうるであろう現時点での課題については,評価が肯定・否定にほぼ2分した。3) VM については建物全体の把握・移動のしやすさ,臨場感不足等についての対応が難しく,その解決策を探る必要がある。また,訪問者の要望への柔軟な対応が課題である。