豊田工業高等専門学校研究紀要
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虚数単位i を使わない複素数の2次元表現と微分可能条件
非等方距離(マハラノビス距離)による新しい複素関数論
高村  明
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2020 年 52 巻 論文ID: 52-13

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抄録
複素数を2つの実数を使って表現する場合,虚数単位i = √−1 を使うのが普通である.複素関数が微分 可能であれば,2変数関数はコーシー・リーマンの関係式を満足する.複素数を虚数単位i = √−1 を使っ て実部と虚部に分けることにより,2つの実数の組に対応させることが出来るがその分け方には任意性が ある.このノートでは,複素数の表現として虚数単位i を使わない方法を考察する.虚数単位i を使って複 素数を表現した場合,複素数平面上の距離は自然にユークリッド距離になる.虚数単位i の代わりに複素数 ω = (−1 +√3i)/2 を使った場合,ユークリッド距離ではない距離である.この距離はマハラノビス距離[1] と呼ばれる.そして,通常とは異なる複素数の実2次元表現の場合に,複素関数の微分可能条件を求める.
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© 2020 豊田工業高等専門学校
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