2020 年 52 巻 論文ID: 52-8
豊田工業高等専門学校では,全学科共通の基礎科目として「物理実験」および「応用物理実験」と題する物理実 験授業を開講してきた.近年の教育環境の変化に合わせて本授業内容を改編していく中で,平成26 年度後期より 新たに実験ノートの意識的な指導を行う取り組みを開始した.これは研究倫理教育の重要性が広く認識されるよう になった社会的背景を反映したものでもある.本稿では実験ノート指導を開始するにあたって有効な指導方針を探 るため,受講学生に対してアンケート調査を行い,実験ノートに関して学生らが持つ経験や現在の状況を明らかに した.その結果,ほとんどの学生にとって「物理実験」および「応用物理実験」が実験ノートを作成する本格的な 実験として初めての場であり,本実験授業における指導方針が実験ノートに対する意識づけとして重要な役割を果たすことが明らかになった.