抄録
本研究の目的は,大腿直筋と中間広筋の筋厚比が長距離走動作に及ぼす影響を明らかにすることであった.被験者は男子長距離走選手12名であった.大腿直筋と中間広筋の筋厚を超音波診断装置で測定し,筋厚比は大腿部前面の筋厚に対するそれぞれの筋厚の割合で算出した.大腿直筋の割合が50%以上の者をRF 群,50%未満の者をVI 群とした.そして走動作を高速度ビデオカメラで撮影し,その映像から股関節および膝関節の角度,角速度を算出した.なお,RF 群とVI 群の走動作の比較は接地局面と伸展,屈曲局面に分類して行った.その結果,伸展,屈曲局面でRF群の股関節角度,角速度はVI 群よりも低値を示した.また接地,屈曲局面でRF 群の膝関節角度,角速度はVI 群よりも低値を示した.RF 群とVI 群の股関節と膝関節の屈曲および伸展動作に相違が認められたことから,大腿直筋と中間広筋の筋厚比は長距離走動作に影響を及すことが示唆された.