抄録
研究目的(1) 揺動筬框にバネを付して固有振動数をもたせ, クランク軸からの強制振動とほぼ共振せしめた時電動機の負荷変動を調べる.特に第1報においては, 筬框のみの運動を圭として考えたのに対して杼投作用も行わせ, 実際に織布するための全機構を動作せしめた時の負荷の変動を調べる.(2) 共振型揺動筬框を用いて緯糸打込を行った場合, 緯糸密度が普通型織機よりも少ないかど.うかを調べる.すなわち筬框の慣性を打ち消すことにより緯糸密度が小になり十分筬打効果を上げることができなければ, いかに負荷の変動の小さい織機でも織機として不適格ということになるがこの点はどうかを検討する.研究結果(1) 揺動筬框にバネを付してクランク軸からの強制振動とほぼ共振せしめると, 電動機の負荷の変動が少なくなる.ただし杼打動作に対する動的が必要であるため, 完全に負荷の変動を0にすることはできない.また適当なクランク角度から起動すると一定速度になるまでの過度時間が少なくてすむ.(2) 共振型揺動筬框を用いた場合の緯糸密度と普通織機による緯糸密度とを比較した場合密度差は認められなかった.