繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
異種繊維混合糸に関する研究
(第2報) 異種の連続繊維混合糸あるいはコードの疲労破壊
熨斗 秀夫島田 政之助草野 堯
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1959 年 12 巻 11 号 p. 763-772

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抄録

研究目的異種の連続繊維を混合した糸, あるいはコードの疲労寿命を理論的に推定すること, および最も有利な混合条件を求めること.研究結果(1) 異種繊維混合糸の疲労寿命は, 各成分繊維について, 重複繰返応力における繰返数比積算法の法則を適用し, さらに応力の不均一, クリープなどを考慮することによって理論的にほぼ推定できる.この推定値は実験結果と大体一致する.(2) 異種繊維混合糸の最も有利な条件は, 各成分繊維の疲労寿命および力学的性質が異なるにかかわらず, これを合撚すればそれらの繊維が同時に疲労破壊することである.この条件を満たす繊維の性質と混合割合とを理論の応用によって, 図式的に求めることができた.(3) A, B2種繊維の混合について, 作用応力, 混合割合のいかんにかかわらず, 最も有利な混合をうる繊維の性質の条件はAコードの疲労直線の傾斜角/Bコードの疲労直線の傾斜角=Aゴードの疲労直線の応力軸上の値/Bコードの疲労直線の応力軸上の値=Ea/Eb=E'a/E'b=ηa/ηbただし記号はA, B両繊維の力学的モデル (第9図) のパラメータ.

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© 社団法人日本繊維機械学会
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