繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
熱可塑性繊維の形態セット糸の一試作とセット効果について
浅生 貞夫坂奥 喜一郎
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1959 年 12 巻 11 号 p. 783-790

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抄録

研究目的新しい形態セットとして, 多角形 (円形を含む) 断面を有するコイル糸条を考案し, 加熱セットのセット量を定量化し, セット効果の最良条件を実験的に求めることを目的としたものである.研究結果(1) 加熱セットで見掛けのセット量と真のセット量を区別して, 真のセット量をPI., PN, PDで定量表示をした.この表示はわずかなセット効果の差異を容易に区別できる.(2) 乾熱セットでは, サランは約130℃, ナイロンは約16℃, テリレン (およびテトロン) は約170℃で, 加熱時間は5minでよい.非膨潤液体 (たとえばパラフィン) 加熱では上記温度で約1minで十分である.(3) 形態セットを加熱温度における応力緩和と考えると, セット量pLは, 加熱時間より加熱温度の方がはるかに効果的であることがわかった.

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© 社団法人日本繊維機械学会
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