1960 年 13 巻 9 号 p. 662-666
研究目的異色のたてよこ糸で織られた織物 (以下混色織物と仮称) の色混合の本質を明らかにし, その色彩構成にあたって, 混合色の予知を的確にするための, 実験を行なった.研究結果(1) 混色織物の色混台は, ほぼ中間混含 (加色混合の一種) として取り扱うことが可能であることがわかった.(2) 混色織物の混合色の計算によって求めた色度と, 測定によって得られた色度との間にはズレがあるが, 大体において一定の規則性が存在し, そのズレは, たてよこ糸の色差にほぼ比例する.(3) このズレは同一原糸であれば, 両面織から片面織へ小となり, 同組織であれば, 紡毛糸, そ毛糸, 人絹糸の順に小となることが判明した.