抄録
目的 陽イオン活性剤 (脂肪族長鎖アミン塩) と非イオン活性剤 (脂肪族長鎖ポリオキシエチレン化合物) の化学構造とこれらで処理をした繊維の数種の触感因子との関係 (B) につき研究した.触感因子としては最も普遍的なものとして4種を採択し, 次に, 既報の活性剤の化学構造と摩擦係数の関係 (A) を引用し, 活性剤の化学構造―触感―摩擦係数の3者間の関係 (C) を求めた. 成果 (1) 陽イオン活性剤 A, Bの兩関係は明瞭に得られたが, Cの関係はあまりはっきりしなかった. (2) 非イオン活性剤 A, B, C共に非常にはっきりした関係が得られた. (2) の結果からは触感―摩擦係数の相関関係が肯定されるが, (1) の結果からは決定的結論が得られなかった.