繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
織物における色混合
(第3報) 各種混合型式によるズレの比較
佐貫 尹
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1962 年 15 巻 3 号 p. 193-198

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抄録

目的強, 弱ねんの無地糸, もく糸ならびに, 異なった原糸を並列した場合の, 混合色の色度の変化を, それぞれ2色, 4色混合について, 比較検討する.成果(1) 同じ原糸で同じより数でねん糸したものであれば, 異なった色の無地糸を並列した場合の混合色 (以下無地糸混色と呼ぶ) と, もく糸を並列した場合の混合色 (以下もく糸混色と呼ぶ) を比較すると, 後者の方が混合色の各刺激値とも, 測定値が計算値より大きくずれる.(2) 混合色の明度は, もく糸混色の方が, 無地糸混色より低くなり, また弱ねん糸よりも強ねん糸の方が, 概して計算値からのずれ (低下) が大きい.(3) 刺激純度・主波長については, 明度ほどはっきりした変化は認められないが, 被混合色の総合反射と, 主波長ならびに刺激純度との間には, ある程度の規則性が存在する.(4) 異種原糸を並列した場合の混合色 (以下異種原糸混色と呼ぶ)の, 計算値と測定値とのずれは, それぞれの原糸のずれの, ほぼ中間に存在する.また混合色の色度の計算値と測定値との間には, 第1, 2報に述べたと同様な関係があるから, 異種の糸をより合せたもく糸・強・弱ねん糸などの色度の変化は, 同一原糸混色の場合と, 同じ傾向をもつと考えられる.

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