繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
酸回収用低温式二重効用蒸発装置の研究
隅谷 信三
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1951 年 4 巻 12 号 p. 699-706

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抄録

研究目的ビスコース法化繊工場においで紡糸俗の濃縮に有費される蒸汽量は工場糞蒸汽量の30%以上と言われ、これを節械することは製造原価の低下に必要なるのみならず、貴重資源たる石炭の節約上極めて重要である。この目的のために熱効率よく且耐久性の大きい二重効用差発装置の特別の設計法を研究した。研究結果酸回牧用二重効用蒸発装置として最も重要な問題は第一効用罐内の液の沸騰湿度であるか着通の装置ては、80°~90℃以上となり装置の講成材料たる錯の機械的強度と耐蝕性を著しく低下させ装置の耐久性を悪くする。この湿度をできるたけ低くするために従来余り研究されていなかつた液の循環量と第1第2両効用罐の加熱面積の割合と第1効用罐内の液の沸騰温度との関係を理論的並に実験的に明かにし、その結果に基いて熱効率の優秀な且第2効用罐内の液沸騰温度を従来到達できなかつた70°~55℃までも低下できる低温式二重効用蒸発装置を完成した。

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