繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
精紡における撚縮み
藤野 清久下間 頼一越馬 純一
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1952 年 5 巻 8 号 p. 446-451

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抄録

研究目的綿糸紡績の精紡工程における撚縮みについて、J.F.Bogdmanの示す値は、日本紡績協会の基礎資料値よりかなり大きい値である。我々は実験によつて撚縮みの妥当な値を求め、上記の差違を検討した。研究結果工場における実際の撚縮みに対して、加撚條件を種々変えて行なつた加撚実験の結果から判断して次の結果を得た。1.日本紡績協会の撚縮み率の基礎資料値は、実験結果に割合に接近した値である。2.Bogdmanの式は非常に大きな撚縮みを表わし、撚係数の大きい紡出実験の結果がこれに近い。一般に精紡における撚縮みに対しては、撚数の他に紡出番手、加撚張力、繊維相互間の滑りを無視することができない。結局紡出糸の撚縮みは純粋の撚縮みと繊維相互間の滑りとが組合せられたものである。本実験より、精紡における撚縮みによる番手変化に対して次の実験式を得た。No : フロントローラにおける番手N : 紡出糸番手とすれば、撚係数=4.32±0.20, N=10~40'sの範囲においてNo=100N/91.8+0.165N

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© 社団法人日本繊維機械学会
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