繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
マルチサイクロン集塵器による混打綿機の綿塵收集に関する研究 (第1報)
村上 泰藏福永 節夫石田 憲二
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1953 年 6 巻 11 号 p. 696-701

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抄録

研究目的混打綿機内に発生する綿塵を送風機の吸引力により気流と共にマルチサイクロンに送って集塵させ, 清浄空気だけをまた元の混打綿機, 或は混打綿室に還流させて熱損を少なくするという着想で, 実験的研究を企図したもので, 本報告では直径100mmの単位サイクロンを6個を3個宛左右に並列に組合せてなる接線型マルチサイクロンを混打綿機と切り離して, 単独に送風機の吸込側に接続してサイクロンの集塵効率, 圧力損失等について実験を行った結果について報告した.研究結果(1) サイクロンの集塵効率は塵室に准積した綿塵を試料として, 単繊維の状態で塵埃と共に吸込させた場合, 流入風速15~22.6 (m/s) の時90.4~93%を示し, 綿塊を混入すると97%に上昇した.(2) サイクロンの圧力損失は最高176 (mmH2O) を示し, 各単位サイクロンの圧力損失に比し, 流速の増大につれ配管ダクトの圧損が大となって, マルチサイクロンの圧損は著しく増加する.またサイクロンの圧損は両者とも流速の2乗に比例する.(3) 集塵効率, 圧力損失の点から試作マルチサイクロンは配管ダクトの構造を改造することにより, 混打綿機の綿塵收集装置として使用可能であると考える.

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