繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
マルチサイクロン集塵器による混打綿機の綿塵牧集に闊する研究 (第3報)
村上 泰藏福永 節夫石田 憲二平城 勧
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1955 年 8 巻 4 号 p. 258-262

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抄録

研究目的
本研究は仕上打綿機の綿塵牧集用として混打綿室の塵室に設置したマルチサイクロンの各単位サイクロンを, その中心軸が水平に対しく30°内方に傾け, サイクロンの排気を室内に還流させた場合の運転成績について検討したものである.
研究結果
(1) 第2報で述べた垂直型サイクロンに比しダスト ボックスの容量は約8倍に増大した.
(2) 仕上打綿機における出来高ラップを1日140本 (1本の目方30lb) として排気中に可視的塵埃を認めるまでの出来高ラップ飴計は714本 (21400lb) で, これによろマルチサイクロンのダスト ボックスば5~6日間は使用可能である.なおこの場合のボックス内の落綿の程落率は0.11%である.
(3) 送風機の駆動馬力は静圧効率を55%に取ると約2.55〓に抑えることが可能で, 在来の機台付ぎフアンの動力消費約2〓にくらべ僅かの動力増加に過ぎない.しかるにサイクロンの排気中の塵埃濃度は大体恕限度以下であるから, 排気を室内に還流させても衛生上差し支えなくこれによる熱経済の向上は著しい.

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© 社団法人日本繊維機械学会
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