繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
紡績糸の強さについて
久間 秀彦
著者情報
ジャーナル フリー

1955 年 8 巻 6 号 p. 402-405

詳細
抄録

研究目的
紡績糸を無限小の引張速皮で切断する場合は糸の強力は滑り繊維の摩擦力により生じ切断繊維には無関係であるとしてステープルダイヤグラムを考慮に入れた紡績糸強力Gを求める計算式を得んとした.
研究結果
紡績糸の強度計算式として次式を得た.
G=σBPηcosθr
但しσBは単繊維強力, Pは糸断面の繊維数, cosθrは全繊維の糸軸に対する傾斜の平均値, ηは効率である.なお片毛房ステープルダイヤグラムの繊維長軸 (l軸) を1/2に縮小した摩擦長ダイヤグラムがX'=f (l) で表わされるとし, 又繊維を切断するに必要な摩擦力を発生すろに必要且つ十分な長さをlcとすれば効率ηは次式で表わされる.
η= (∫lc0X'dl-X'l=lc・lc) /lc・X'max (∞>lc≧lcm)
上式においてlcmは糸に最高の強力を与えるlcである.又lcは繊維の平均の曲率半径ρ, 繊維の有効接触比α, 繊維の摩擦係数f等の函数であり次式で表わされる.
le=ραflog((σBb2/4ρK0(eb-b-1)+1)

著者関連情報
© 社団法人日本繊維機械学会
前の記事 次の記事
feedback
Top