繊維機械學會誌
Online ISSN : 1883-8715
ISSN-L : 0285-905X
コーマにわけるコーミングアクション及びコーマノイルに関する考察
山岸 武夫古山 英吉黒江 秀男
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1956 年 9 巻 2 号 p. 86-92

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抄録

研究目的
コーマにおけるコーミングアクションに関し幾何学的な繊維配列を基礎として理論的に考究し, 供給されるリボンラップのステープルダイヤグラム, コーミングパートのタイミング, ゲージが与えられた場合のコーマ落率 (コーマノイル量), コーマノイルステープルダイヤグラム, コーマスライバステープルダイヤグラムを求め, コーマ落率決定及びコーマ各パートの改造, 改良もしくは研究上の指針とする.
研究結果
供給されるリボンラップのステープルダイヤグラムがy=f (x) で与えられるとすると
1) コーマ落率は
Y'=∫(E-s')0 f' (x) dx+∫ (E-s') +s (E-s') (E-s')+s-x/s f' (x) dx
2) コーマノイルのステープルダイヤグラムは
y'=f' (x) =∫x0f' (x) dx/Y'但し0<x<(E-s')
y'=f' (x) =∫ (E-s')0 f' (x) dx+∫ (E-s')+s(E-s') (E-s') +s-x/s f' (x) dx /Y'但し (E-s') <x<(E-s') +s
3) コーマスライバのステープルダイヤグラムは
y"=f"(x) =∫x(E-s') f' (x) dx-∫x(E-s') (E-s')+s-x/s f' (x) dx/1-Y"但し (E-s')<x<(E-s') +s
y"=f"(x) =∫(E-s') +s(E-s') f' (x) dx -∫(E-s')+s(E-s') (E-s')+s-x/s f' (x) dx+∫x(E-s')+s f' (x)dx/1-Y" 但し (E-s') +s<x<L
4) コーマノイル中に含まれる繊維の最大繊維長は (E-s') +sである.
5) コーマスライバ中に含まれる繊維の最小繊維長は (E-s') である.
ここに y=f (x) : 供給されるリボンラップのステープルダイヤグラム
y=f' (x) : コーマノイルのステープルダイヤグラム
y"=f"(x) : ゴーマスライバのステープルダイヤグラム
Y": コーマ落率 (コーマノイル量)
x : 任意の繊維の繊維長
E : ニッパプレートがデタッチングローラに最も接近した時の距離
s'' : トップコームが下降してトップコーミングを開始する迄にデタッチングローラがコーミングされた繊維を送出す長さ
s : フィードローラのラップ供給長
L : 供給されるリボンララプ中に含まれる繊維の最大繊維長

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© 社団法人日本繊維機械学会
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