抄録
目的 低レイノルズ数で溶融ポリエチレンが平行平板流路からスリット内へ流入するとき, スリット流入部近くに循環流れが生じる.本論文では流動複屈折現象を利用して, このような流れ場に発生する応力を測定した.結果 その結果, 剪断応力は流路の中心軸および循環流れ部に応力零の部分があり, その間で等剪断応力線はスリット上流に向ってループを描いている.法線応力差は流路の中心軸の縞次数零の部分と主応力方向がスリット主流と垂直な軸に対し45° のところで応力零となり, 流路の中心軸側で応力の絶対値は大きい.スリツト流入角を変えても主流の剪断応力, 法線応力差の分布はほとんど影響されない.