繊維機械学会誌
Online ISSN : 1880-1994
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振動リード法における環境気体圧力の影響
(第2報) 高分子材料の振動特性
朱 承興石川 左武郎吉田 幸吉小形 信男柳川 紹明呉 小玲
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1987 年 40 巻 9 号 p. T91-T97

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抄録

Nolleのモデル, 特に前報で提案した新モデルによって, 各種高分子材料の各環境気体圧力下での振動挙動を考察し, 次のことを明らかにした.
1) 真空状態での振動挙動から織物のような高分子材料が動的曲げ変形を受けるとき, 一般に線形粘弾性体と見せない.
2) 見掛けの動的弾性率の環境気体圧力依存性は小さいが, 見掛けの動的損失のそれは大きい.
3) 動的変位が増大すると, ゴムシートの動的弾性率は増大するが, 織物のそれは減少する.
4) 織物の相対粘性係数は同材料のフィルムのそれよりずっと大きい.
5) 換算質量の変化率と試料厚さの逆数との間に直線関係がある.
6) 同様に相対気体抵抗係数は試料厚さの逆数に比例して変化する.
7) 換算質量の変化率と環境気体圧力との間にも直線関係がある.
8) 相対気体抵抗係数はほぼ環境気体圧力の2/3乗に比例する.

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© 一般社団法人日本繊維機械学会
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