目的 ミンク毛皮に似たフェイクファーは, どのように作られているのかを検討するため, まずミンク毛皮の形態につき検討し, さらにフェイクファーの現状を知るため, 国産品, 輸入品の形態につき電子顕微鏡および光学顕微鏡を用いて検討を加えてみた.成果 ミンクの毛は刺毛と綿毛とからなり, 刺毛は太くて, 比較的長く, 断面は楕円形で, 先端は尖っている.なお, 髄質部は格子状を形成している.綿毛は, 細くて短く, 測定不能な位の本数が生えており, 刺毛の下部を支える役割をしている.また皮革部分は, 比較的薄く, 細い繊維群より構成されている.フェイクファーは, 獣毛の風合いに似させるために, 異デニール, 異形断面, 異収縮繊維を利用し, 目標風合いにマッチするよう仕上加工が施されている.なお, 毛先を尖らせる加工法も一部で実施されている.