1995 年 48 巻 4 号 p. T113-T119
目的 本研究では, 娘が好む服装と母親が娘に着せたい服装とには差異がみられるのではないか, また差異が生じる要因として, 1つは娘と母親の服装に対する好みの違い, もう1つは娘の理想的自己と母親の理想とする娘像との違いの2つが大きく関わっているのではないかと考え, これらの仮説を検証するために調査をもとに考察を試みた.成果 女子学生およびその母親200組を対象に, 好きな服装のイメージ, 現実的自己と理想的自己 (娘), 現実と理想の娘像 (母親) について, 形容詞対16項目からなるSD尺度を用いて評定を求め, 平均値をもとに差の検定を行った結果, 娘が好む服装と母親が娘に着せたい服装には有意な差がみられた.また, これらの差異が生じる要因には, お互いの好みの違いだけではなく, 娘の理想的自己と母親が理想とする娘像との差異が大きく寄与していることを明らかにすることができた.