繊維機械学会誌
Online ISSN : 1880-1994
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平編編成域での結び目による糸切れ発生機構
追沼 龍三成沢 郁夫小山 清人
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1995 年 48 巻 7 号 p. T173-T182

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抄録

結び目 (コーマ綿糸c30s/1を用いたウイバースノットおよびフィッシャーマンズノット) に起因する平編編成域での糸切れ発生機構について, 高速ビデオカメラを用いて詳細に研究した.得られた結果は次のとおりである.
(1) 結び目に起因する平編編成域での糸切れが次の3段階を経て発生することを明らかにした.1) 針のフックおよびべらとオールドループとで形成する隙間あるいは針頭と溝壁との隙間での結び目の引掛かり, 2) 糸張力の増大, 3) 糸切れ.
(2) エアスプライスによる平編編成域での糸切れはいずれの編成条件でもほとんど発生しない.
(3) いずれの結び目でも, 結び目の引掛かる率, 引掛かった結び目の糸切れ率および結び目の糸切れ率はカム引込量, 給糸張力および巻取荷重の増加とともに増加する.
(4) いずれの編成条件でも, 結び目の引掛かる率, 引掛かった結び目の糸切れ率および結び目の糸切れ率はウイバースノットよりフィッシャーマンズノットの方が大きい.

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© 一般社団法人日本繊維機械学会
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