1997 年 50 巻 3 号 p. T76-T83
フラクタル次元は形状を定量化する測度と考えることができ, 通常の次元を非整数にまで拡張した特徴量である.織物表面画像にモザイク処理を施し, その濃度曲面変化の複雑さをフラクタル次元を用いて定量化した.この結果と, 「印象が強い」という官能検査によって得た主観的評価との相関を調べたところ, 逆相関の傾向を持つことが得られた.このことから, 織物デザイン画像のフラクタル次元は, 織物デザインの主観的特徴を説明する1つの視覚的な客観的特徴として用いることができると考える.