Tropics
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なぜ木を植えるのか?
東部タイでの「ワナ・カセー卜」アグ口フォレストリーと人々の戦略
藤田 渡Somsak SUKWONG荻野 和彦
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2002 年 11 巻 3 号 p. 169-185

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抄録
タイ東部のテープ·プラターン村では、近年「ワナ·カセート」と呼ばれるアグロフォレストリーへの関心が高まっている。村人が試みているワナ·カセートは,多種類の有用樹を混栽するもので,自然林を模倣したものと捉えられている。しかし,実際には,人工的な性格も多く見られる。ワナ·カセートは,自家消費と販売の両方を目的にしている。栽培される樹穫はほとんど食用となるもので,「おかず」となるものより間食やデザートとなるものが多い。こうしたワナ·カセー卜を実践する農民は,破壊された森林の再生を,現金収入と噌好品を生み出し快適な生活空間をも作り出すより洗練されたワナ·カセートで行おうとしているのである。
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© 2002 日本熱帯生態学会
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