Tropics
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ガボン・口ぺ保護地域の同定された植物リスト
Caroline E. G. TUTINLee J. T. WHITEElizabeth A. WILLIAMSONMichel FERNANDEZGordon MCPHERSON
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1994 年 3 巻 3+4 号 p. 249-276

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抄録

ガボン中央部に位置するロベ保護区(the Lopé Reserve) の‘Station d’Etudes des Gorilles et Chimpanzés (SEGC)’におけるローランドゴリラ(Gorilla g. gorilla) とチンパンジー(Pan t. troglodytes) に関する研究は、1983 年に始まり現在も継続中である。本論文では、50km2 の調査地で確認できた91 科676 種の植物名をリストにして報告する。直径10cm かそれ以上の木本のデータはライントランセクト法によりシステマティックに採集し、繁殖中の植物に関しては見つかれば記録するという方法をとった。各植物種について、生活形、ハビタットの好み、そしてトランセクト上で記録した木本については密度を記載した。また、ゴリラやチンパンジーに食物を提供する植物については、その探食部位を記載に入れた。植物種名リストは完全ではないが、SEGC 調査地の植物の多様性は示している。記載した7 つのハビタット・タイプはサバンナから樹冠の閉じた森(Closed Canopy Forest) までの幅があるが、調査地の主要な植生はクズウコン科植物が林床に多い森林(Marantaceae Forest) である。ロベのゴリラとチンパンジーは幅の広い食性を持ち、すべてのハビタット・タイプで植物から食物を得る。特定の季節には、いくつかの,面積では狭い分布域しか有していない植物が多量の食物を供給する。アフリカの異なる調査地の植生リストが明らかになって初めて、類人猿の採食対象の比較が可能になる。

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© 1994 日本熱帯生態学会
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