MR再生ヘッドの非線形歪が、PRMLチャネルを用いるディジタル磁気記録系のエラーに及ぼす影響を検証した。高感度MR再生ヘッドとPRMLチャネルの組み合わせは、高面密度記録に好適であるが、MRヘッド特有の非線形歪がチャネルのエラーレートを悪化させる。本稿では、まず、MR非線形歪の一評価量であるSHD(Second Harmonic Distortion)の性質と測定条件を理論的に明らかにする。次に、SHDで定量表現されたMR非線形歪がエラーレートに及ぼす影響を、シミュレーションおよび実験により検討した。その結果、非線形歪によるエラーレート劣化を防ぐためには、SHD < -25dBが必要であることを明らかにした。