1993 年 17 巻 78 号 p. 25-32
コンピュータやネットワークが提供する高度で多様な情報処理や通信技術が家庭に影響を与え始めている。家庭におけるマルチメディア技術とは、コンピュータや通信技術の高度化による画像、音声の伝送、加工能力の向上がもたらす新しい形態のAV機器としてとらえることができる。家庭におけるコンピュータは技術的にはオフィスにおけるそれと同一であるに拘らずその用途、利用方法において大きな隔たりがある。このギャップが家庭におけるコンピュータの普及を阻む要因となっている。マルチメディア技術の登場は家庭における使い勝手の壁をうめるものとして期待される。すなわちAV機器のコンピュータ化がそれである。ここではマルチメディアTV、マルチメディア通信、マルチメッディアアミューズメントなど個々の開発事例を踏まえて次世代AV機器におけるマルチメディア技術について論じる。