話者認識は、発声者が誰であるかを自動的に判定する技術である。本論文では、話者認識の基本的な説明をするとともに、テキスト指定型話者照合方法について解説する。テキスト指定型話者照合方法は近年注目を集めている方法で、装置を用いるたびに装置側から新しい言葉を指定することによって、テープレコーダなどによる悪用を防ぐことができる。更に近年、高品質マイク、静かな環境で録音したデータに関しては、多くの研究機関が99%以上の高い話者認識率を報告するようになったが、背景雑音、回線歪み、事前閾値などに関する課題が残されていることを紹介する。最後に、話者認識研究の展望について述べる。