1996 年 20 巻 61 号 p. 13-18
本論文では、Co-Fe oxide, CrO_2,厚さの異なる2種類のMPテープを用いて、塗布型媒体の熱安定性について調べた。まず、室温における磁気粘性を測定すると揺らぎ場は減磁曲線上の反転磁界の関数として得られ、反転磁界が保磁力と等しくなる時揺らぎ場は最小値をとることが判った。これに基づき、周囲温度-75℃〜100℃で4つの磁気テープの揺らぎ場の測定を行った。その結果、揺らぎ場を残留保磁力で規格化した値は、すべての媒体において温度上昇にともなって増大し、熱安定性の重要な指標となることが判った。さらに、活性化体積についても同様な検討を行なった。