抄録
本稿では、気がかり方式のフォーカシングの方法とフォーカシング・プロセスについて検討した。気がかり方式によって行われたフォーカシングのセッション事例を報告した。初学者であるフォーカサーは、ある気がかりな事柄についてフォーカシングに入り、フォーカシング・プロセスを比較的スムーズに進めていくことができた。プロセスにおいてフォーカサーのフェルトセンスとその表現・象徴が推移していき、フォーカサーは心身の解放感を体験し、新たな気づきを得ることができた。気がかり方式のフォーカシングにおけるフォーカシング・プロセス、プロセスでの空間づくりの活用、ガイドのガイディングについて考察した。
