2022 年 16 巻 p. 1-21
本稿では、ある奇妙な夢についてのフォーカシングを行ったフォーカシング指向ドリームワークの事例を報告し、フォーカシング指向ドリームワークの活用法について検討した。夢についてのフォーカシングは、フォーカサーのフェルトセンスに対して16の質問から幾つかの質問を用いるものである。夢フォーカシングの事例をもとに、そのフォーカシング・プロセスについて検討した。本事例では、「連想」を求める 2 種類の質問と「子どもの頃は?」を問う質問が適宜用いられた。フォーカサーは、ドリームワークのプロセスを進めていくなかで、体験過程が推進するとともに自己探究を深め、新たな気づきを得ることができた。フォーカシング指向ドリームワークにおけるフォーカシング・プロセス、フォーカシング・プロセスの特徴、フォーカサーの気づきと自己探究、ガイドのガイディングについて考察した。