人間と環境
Online ISSN : 2433-6408
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からだの感じ方式による心の空間づくり(フォーカシング指向ボディ・スキャン)から入るフォーカシングの検討
−身体指向的アプローチとの関連−
伊藤 義美
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2023 年 18 巻 p. 1-20

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抄録

本稿では、からだの感じ方式によって行われた心の空間づくり(フォーカシング指向ボディ・スキャン)とフォーカシング・プロセスを報告し、空間づくりとフォーカシングにおけるからだの感じとその方式の特徴を明らかにした。そしてフォーカシングと身体指向的アプローチとの関連を検討した。フォーカサーは 40 代の男性である。からだの感じ方式の空間づくりを行い、それに続いて気になるからだの感じについてフォーカシングを行った。からだの感じ方式の空間づくりは、大地と接触する足裏の感じから始めて、からだの各部位にある感じを探るものである。いわばからだに空間をつくる方法である。からだには肯定的な感じと否定的な感じの両方があり、両方の感じをからだは全体的に抱えていることになる。さらに身体指向的アプローチの系譜を検討し、身体指向的アプローチとフォーカシングが結びつくことによって新たな発展が期待できることが示唆された。

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© 2023 人間環境大学
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