2024 年 20 巻 p. 1-16
本稿では、対照的な集団人間関係についてのフォーカシング・プロセスを報告し、そのプロセスの進展とそこで行われたガイディングの方法について検討した。フォーカサーが対照的な集団人間関係について感じたフェルトセンスは、最初はそれぞれ否定的なものと肯定的なものであったが、フォーカシングが進展する中で、最後は二つのものが一つに融合し、一つにつながっているがそれぞれが自由に動いているというものになった。ガイディングの技法である三つの魔法(内なる自分自身との関係、まん中で待っていること、欲しいと願うこと)が、フォーカシング・プロセスにおいてどのように用いられたかについても検討された。