都市有害生物管理
Online ISSN : 2435-015X
Print ISSN : 2186-1498
原著
クロゴキブリ野外越冬幼虫群の発育と潜伏場所(樹洞)からの出現
辻 英明
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2020 年 10 巻 2 号 p. 47-50

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抄録

前年(2016 年)5 月 2 日に屋外の樹洞で,大中小混合のクロゴキブリ越冬幼虫群が粘着トラップに捕獲され,著者により A 群と呼称された(辻,2018a).2017 年の 4 ~ 8 月に,同じ樹洞内越冬幼虫のより正確な発育と,成虫を含む餌への摂食行動を調べる目的で,一辺 14 cm の正三角形のケント紙上に合計 7 個の餌を付着させたものを樹洞の入り口に設置し,摂食する個体の自動シャッターカメラ撮影を行った.その結果,4 月 30 日には中~大型幼虫,7 月 3 日には大型幼虫,8 月 4 日には大型幼虫と成虫がケント紙上に出現して餌を摂食した.越冬幼虫の発育と羽化傾向が 2016 年の成虫出現傾向とほぼ一致したので,大型越冬幼虫は勿論,小中型越冬幼虫も年内に羽化するものと判断された.これにより「小型の越冬幼虫は大型幼虫となって再度越冬する」という従来の推定は変更すべきと判断された.

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2020 都市有害生物管理学会
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