2021 年 2021 巻 48 号 p. 1
今年も皆様に『哲学の探求』第 48 号をお届けできることをうれしく思います。今回の『哲学の探求』には、2020 年度「哲学若手研究者フォーラム」のテーマレクチャーにてご発表くださった先生方の 2 本の論文、および個人研究
発表を行ってくださった方々による 10 本の論文、計 12 本の論文が掲載されています。
2020 年度のフォーラム(9 月 19 日、20 日)では、例年とは開催月も変化 し、オンラインでの開催といった新しい展開でした。参加は事前登録に絞ったにもかかわらず、約 160 名と例年よりも多くの登録があり、また発表者の数も増加しました。
若手フォーラムの運営はジェンダーバランスや、所属大学が国立私立、都道府県が偏らないようにと考えられ選定されています。現に私は、おそらく数多くの男性研究者の候補があったかと思われる中、例年人が足りない「女性」という枠で運営となりました。それでもまだ、運営メンバーの女性は 8 人中 2 人のみです。哲学の場にいかに女性がいないか、いたとしても目立つことがないかが分かるかと思います。そのような中で、今年度はレクチャーにて、田中東子先生(大妻女子大学)、小手川正二郎先生(國學院大學)をお呼びし「フェミニズムの哲学」を行い、数十年ぶりにレクチャーに女性が登壇しました。多くの方がどこかで問題意識があったからこそ、このテーマが多数票で決定したのではないかと想像します。若手フォーラムが、今後も様々なひとが哲学を楽しみ、探究できる場になることを願っています。
最後になりましたが、様々な形で雑誌の編集作業に携わってくださった皆様に深く御礼を申し上げます。そして『哲学の探求』を通して様々な方が繋が り、それが今後の哲学研究の発展に繋がることを、運営委員一同願っております。