哲学の探求
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巻頭の辞
『哲学の探求』第52号刊行にあたって
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2025 年 2025 巻 52 号 p. 1

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自宅から最寄り駅のあいだの梅が咲いているのをみかけると、「そろそろ『哲学の探求』がでる時期だなあ」と思わされます。梅の開花が春のおとずれをあらわす季語なのとおなじく、『哲学の探求』の刊行が春のおとずれをあらわす季語だと、私のなかでは勝手になりつつあります。そんな春のおとずれをみなさまと共有できるのをうれしく思っております。

今回の『哲学の探求』第52号には、2024年度哲学若手研究者フォーラム研究集会のテーマレクチャーにご登壇いただいた先生方による2本の論考と、個人・共同研究発表を行っていただいた方々による14本の論考、ワークショップを行っていただいた方々による3本の論考、あわせて19本の論考が収録されております。このような大きな論集をみなさまにおとどけできますのも、執筆していただいた方々にとどまらず、編集担当委員2名(今回は石川さんと下山さんです)を筆頭に、原稿の校正をしてくださった編集協力者の方々のお力ぞえのたまものです。

2024年度の研究集会は、昨年度に引きつづきまして、代々木にございます国立オリンピック記念青少年総合センターでの対面開催となりました。テーマレクチャーでは「戦争と平和」と題しまして、佐藤香織先生(神奈川大学)と眞嶋俊造先生(東京科学大学)にご講演いただきました。また研究発表では74件の個人・共同研究発表、3件のGoogle Drive発表があり、ワークショップは4件の開催がございました。参加者数は、両日あわせて260名を超える方々にご参加いただきました。おそらく過去最多であったかと思われます。このようにとてもおおきくなった本研究集会をスムーズにひらくことができましたのも、みなさまのおかげでございます。

大規模な集まりとなった本研究集会ですが、それにともない問題点もでてきております。たとえば、開催地を東京都に固定している点だったり、運営委員の人数や負担の問題だったりです。いずれにせよ、短期的にこたえをだせるようなものではないかもしれませんが、ゆっくりと前向きによりよい選択をみなさまと選べればと思っております。開催に関連することとしましては、次年度の研究集会は、いつもの7月開催ではなく、10月開催へと移行するはこびとなりました。日の光をさえぎるものがないせいか、あまりにもあつい代々木公園沿いを歩いたうえで、汗だくになりながらおおくの階段をのぼって会場にむかう、という風物詩を体験できなくなるのはさみしいことでもありますが、とにかく、私たち運営委員は快適に研究集会へとみなさまがご参加できるように、ゆっくりながらもいろいろと考えながら動いております。

さて、次年度の研究集会は10月開催予定です。それにともない、いま私が感じている春は、『哲学の探求』第53号がでるころですと、きみどりいろの葉が透けてみえる初夏へとかわっているのでしょうか。なんであれ、研究集会の開催や『哲学の探求』の刊行をとおして、若手研究者のみなさまの活動をこれからも支えられれば、運営委員一同たいへんうれしいことです。

2024年度哲学若手研究者フォーラム運営委員・総務担当 田村宜義

 
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